2018年2月2日金曜日

【マーガレット・アトウッド】「またの名をグレイス」を読みました。

             

以前、Netflixで観た「またの名をグレイス」が面白かったので、本も読んでみました。
カナダの女流作家マーガレット・アトウッド最高傑作と言われている物語です。
1843年にカナダで実際に起こった殺人事件を元に小説化したものです。
1843年カナダ東部で、独身の地主と女中で愛人だった女性が何者かによって殺害されました。殺された女中は地主の子どもを宿していました。
警察は使用人男性と16歳の女中グレイス・マークスの犯行と断定。
2人は逃亡中のアメリカで逮捕され共に死刑が確定します。グレイスは収監後精神に異常をきたし精神病院に入ります。
最終的に、使用人男性は死刑が執行されましたが、グレイスは弁護士や支援者の訴えもあり終身刑に。
グレイスが若さと美貌で使用人男性をたぶらかして犯行を煽ったのか、使用人男性の犯行に巻き込まれだだけだったのか…様々な憶測が飛ぶ中、彼女はその後30年間服役し、赦免されたあとニューヨークに引っ越し、その消息の消息は不明…
ざっと、こんな物語です。

ドラマでグレイス役を演じている、サラ・ガドン
向こう側が透けて見えそうな透明感のある美しい女優さんです。
グレイスの心の声が細かく描写されているのですが、そこでも自分が殺人を教唆したとは語られず、グレイスの精神を鑑定する精神科医が自らも崩壊していく様子も恐ろしい…
結局、最後まで、グレイスが殺人を犯したのかどうかわからないまま物語が終わるのですが、限りなく犯人に近いように思えます。
1ミリの救いも無い静かな、くらーい物語にどんどん引き込まれていきました。
    

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