2018年1月31日水曜日

【カズオ・イシグロ】「忘れられた巨人」を読みました。

            
昨年度のノーベル文学賞を受賞されたカズオ・イシグロ氏の「忘れられた巨人」を読みました。
侵入するサクソン人に対抗したという伝説のアーサー王が亡くなってしばらく経った頃、現在のイングランドのあたりをブリトン人の老フフが息子を訪ねてたびに出るという物語です。
夫婦の暮らす地域はいつも霧が立ち込めていて、人々は霧に記憶を奪われながら生活しています。
この夫婦も、記憶が曖昧で、息子がどこで暮らしているのかもわからないまま旅に出るのです。
途中、伝説の竜を倒すために旅をしている騎士に出会い…
といったファンタジーですが、常に森と、霧に惑わされたような印象を持ちます。
とても愛し合っている様子の老夫婦の会話には、心温まります。
が、ラストシーンで、愛し合っているはずの二人が、考えられないような行動に出て、唐突に物語が終わってしまいます。
いつも霧の中を漂っているような、モヤモヤした不思議な物語。
もう一度じっくり読んでみるつもりです。
私はこちらのほうが好きです。
わたしを離さないで
臓器を提供するために生まれてきた子供達を題材にした、衝撃的な物語です。

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