2017年2月16日木曜日

【西川美和】「その日東京駅五時二十五分発」を読みました

              
西川美和さんの「永い言い訳」を読んで、他の本も読んでみることにしました。
「その日東京駅五時二十五分発」 とても静かな戦争の話です。
広島出身の著者が、伯父の戦争体験をもとに描いた作品です。
戦争物には欠かせないと思っていた最前線での地獄絵図のような場面はありません。
階級章、兵員手帳、それまで最重要とされていた機密書類など、全て焼き払い、
400円を支給されて部隊は前日に解散。
8月15日に東京駅から五時二十五分発の始発に乗り、電車の中で終戦を迎えた通信員
の物語です。
なんとなく、みんな皇居の方に向かって号泣したり、自ら死を選ぶこともいとわないような…日本中がそんな状況だったのかと思っていましたが、
淡々と受け入れた…そういう人達も沢山いたのだと知りました。
もちろんなにも感じないわけではありませんがを、仕方ない…と思える人々。
悲惨な場面のごく少ない戦争物の読み物は初めてでが、どうしようもない悲しみがかえって伝わってきました。
いろいろなひとの思いが連なって、いまの平和な世の中があるのだなと、
改めてあの戦争の時代に生きた方々に感謝の気持ちが湧いてきました。
こちらもおすすめです。どの作品も、映画を見ているかのように場面が想像できる素晴らしい描写で描かれています。
どちらも映画化されています。
「永い言い訳 」
  

「ゆれる」 

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